これって過労?過労死亡リスク、労働基準、症状から早期発見

過労、働きすぎて心も体もボロボロにならないために気をつけること、疾患、原因、国の対策についてまとめてみました。ただ長時間勤務をすればエライ!という考えはもう古いのです。

日本の労働時間の状況

日本は長く働くことがステータス、当たり前かのような変な文化が根強いです。これは私が約10年前に働いていた某外資大手企業でも同じでしたし、夫が勤務していた教育機関でも同じでした。

私の場合、17時半過ぎに仕事が終わったとしても部署がら居残りするのは当たり前でした。
「えー、もう帰るの?」と目で上司が言っているのは分かっていましたが、私にだって生活があるし残業したところで残業手当が出るわけでもなかったので残る理由はなかったためどう思われようが、帰宅していました。

ただそう思えない人、立場の人たちは過労であることが普通で何もできないまま辛い思いをしている。それでは人生台無しなのです。

過労時間基準  

国は過労死として労災を認定する基準について、残業時間は1か月平均で80時間としていて「過労死ライン」と呼ばれています。
しかしWHOでは週55時間以上労働で過労死が世界的に増えていることも挙げるなど、問題視しているのです。

つまり、55時間÷1週間(7日)=7.8時間

例えば、朝7時(基準は朝9時)から働いて6時に退勤していた私。WHOの週55時間を遥かに上回っていたこと。それ以上に働かされる、残業に付き合っていたら自分が持たなかったはず。

36協定

労働基準法では、1日の労働時間(休憩時間を除く)の上限を8時間、1週間で40時間と定めています。しかし、業種や職種、時期によっては上限の厳守が難しいため、労使で合意があれば法定労働時間の超過や休日労働が認められる「36(サブロク)協定」があるのです。

36協定の特別条項

  • 時間外労働は年720時間以内
  • 時間外労働と休日労働の合計は月100時間未満
  • 時間外労働と休日労働の2~6ヶ月平均が、すべて80時間以内
  • 時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6ヶ月まで(資料:厚生労働省)

2019年4月に施行された法改正により、特別条項であってもこれらの上限を超えることはできなくなりました(中小企業への適用は2020年4月から)。

とはいっても、過労死は日本でも海外でも未だに問題であることは変わらない統計が出ているのです。

過労が原因で亡くなっているデータ

国別過労データ 

過労が原因で亡くなっているデータ
仕事の関係による自殺者の割合は増加傾向

仕事のが問題に起因する自殺者の割合は増え続ける傾向。2019年は1,949人で自殺者総数の9.7%となっています。また、推定される動機が「仕事疲れ」が29.2%となっているのです。

参照:厚生労働省 令和2年版過労死等防止対策白書

なぜ日本は過労死が多いのか?冒頭でも挙げたように、「働くことはいいことだ。」「まじめでよく働く」それが良いとされてきた悪い文化化されたことが大きな問題 。

過労死はいつから?

日本で過労死という言葉の起源は、太平洋戦争(第2次世界大戦)前にさかのぼる。1910年代、20年代に、長野県の諏訪湖近くにある製糸工場で働く女性労働者が、過重な労働から逃れようとして、次々と湖に投身自殺したという出来事があったとされますが、国が会社が何かケアをしてくれるかといったら2021年の今でも全て自分でどうにかしていかなければいけないのは同じこと。

長時間労働が引き起こす問題・リスクを減らすために

長時間労働が続くと、どんな問題・リスクが起こるでしょうか?こんな症状はありませんか?

  • 心身は疲弊(ボロボロ)に
  • 知らずうちに疾病のリスクが高まる
  • モチベーションが下がる
  • 仕事が捗らない
  • 成績が伸びない
  • 頭が空っぽになる
  • なぜいつも家庭でも仕事場でも怒鳴られるか分からない
  • 起きられない
  • 疲れが取れない
  • 何のために生きているか楽しくない
  • 苛々しっぱなし
  • ゆううつ
  • やる気が出ない
  • 集中力がない
  • 大事な業務のことを忘れてしまうことがある
  • うっかりミスが増えてきた
  • 夜食が満足できるまで食べ続けてしまう
  • 表情がなくなった など

過労死の原因

過労死が起こる理由として、休みを取らずに出勤したり過度な長時間労働を続けていく結果、脳や心臓へ悪影響がもたらされる、これが過労死の背景だといえるでしょう。 
家族も様子がおかしいなと、早期的に感じ取ってあげることも大事なことです。

過労死しやすいタイプ

過労死しやすいタイプ
こんな症状はありませんか?

1960年代に、アメリカのメイヤー・フリードマン博士とレイ・ローゼンマン博士が、パイオニア的な研究結果を発表しています。
過剰な心理的ストレスが心臓麻痺の原因になっていること、心臓麻痺になる患者には特有のパターンがあることを発見、「タイプA型」の人が過労死しやすいと挙げたのです。

  • せっかち
  • 負けず嫌い
  • 執着心が高い
  • 成果志向主義
  • ストレスを貯めやすい

過労体の異変初期症状チェック

倒れる前に、体の異変に気付いてあげる、体の異変のサインに気付くことです。

  • めまい
  • 頭痛
  • 吐き気がする
  • 睡眠が浅い
  • 胃痛
  • 食欲がない
  • 蕁麻疹が出る
  • 生理不順になった
  • 肌荒れが酷くなった
  • 手、指先がしびれた?と異変を感じる

過労は20代でも危険

若い時は働き過ぎても大丈夫だ、とパワハラを言われたことはありませんか?以前電通社員女性が過労死で亡くなったなど、ニュースでも話題になった過労死ですが、年齢問わず過剰な労働からのストレスは心身共に体を蝕むものなのです。

だから、若いから●●という安易な言葉を口にするのも逆にストレスを与えてしまう可能性も十分にあること。

過労死を引き起こす病気

過労死とは、「仕事のしすぎによる勤労者の突然の死」を指します。

過労死となる原因は、大きく3つ

  • 脳血管疾患が34.6%
  • 心不全が31.5%
  • 虚血性心疾患が19.8%

今日からできる過労死予防法

過労で限界にならないために

パワードリンクやタバコに頼らない

ニコチンの作用で、一時的にパワーが維持できますが体にとっては無理矢理体を使わせられている状態になる。つまり疲労が蓄積して休憩したいのにニコチン作用で鞭を打ちすぎると自分の体のSOSを見逃しかねないのです。

有給休暇を使う

有給休暇を使ってはいけないという法律はありません。周りが勝手にそう思わせているだけなのです。疲れた時は有給休暇を取って休息も必要です。
日記をつける

家族に話・相談

仕事頑張ってるね。って思われるのは光栄かもしれませんが、自分の心も体も参っている状態を真剣に家族に伝えること、相談することも大切なこと。家族の大黒柱や大切な家族の1人が不調なことを心配しない人はいません。日ごろからの夫婦、家族会議をして自分の状況を話すことは全く恥ずかしいと思わないでください。だって支えあうのが家族なのですから。

自分の気持ち、体の異変などとにかく日記に書き留めておくことです。自分を知ること、自分と向き合うことは万一自分が過労が原因で病気になった時の証拠にも繋がります。

深呼吸をする

ストレスが溜まっていると、呼吸が浅くなりがちに。なかなか深呼吸をするのが苦手ならば、ストレッチやヨガ、太極拳など深い呼吸をしやすくなります。

ペットを愛し触れ合う

ペットとスキンシップをはかることで、幸せホルモンが出やすくなります。もちろんペットだけでなく赤ちゃん、愛する妻でも同様です。幸せホルモンを自分から作り出すことです。

ガーデニングなど自然に触れ合う

庭の手入れなど、自然に触れ合う時間を作ることです。もし庭、箱庭に興味がなければ登山、ハイキングなどに出かけて自然に触れ合う時間を見つけましょう。1人キャンプが数年前から流行っている背景にも、人間関係、仕事関係で疲弊した人が、キャンプを通して自分時間を大事にしたり、心のリセットのために始めて楽しんでいるというものです。

夜の星空、キャンプで食べる食事、焚火の炎、全てがとても素晴らしく感じられます。

人生を無駄にしないために

人生は自分が思っているほど長くありません。家のローンがあるから頑張らなければいけない人もいるでしょう。しかし家族がいる人なら、子どもの成長はあっという間に過ぎるもので、仕事ばかりしていたら赤ちゃんの初めて立った瞬間、歩いた瞬間、笑った瞬間も見ることもできません。

あの時もっと子供一緒の時間を過ごしていれば。など後悔のない生き方を選ぶために、まず自分の身体を大切にしてください。

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