犬を飼っていると必ずいつかはやってくる病気やケガ。犬の飼い主やこれから犬を迎えることを検討しているあなたのために、犬の病気、どういった症状なのかなど病気に関する情報まとめ。
犬の病気と種類
犬の病気、種類といっても様々。この犬だから、この病気だ、と簡単に言えないのは人間と同じ。
- 犬がかかりやすい病気ってどんなものがあるの?
- 犬種によってかかりやすい病気って違う?
そういった悩みが少しでも解消できるよう、確認していこう。
犬の病気は犬種によって異なる
犬の飼い方について知っておくべきことの中に、犬の特徴だけでなく、その犬が掛かりやすい病気を知っておこう。
皮膚病
特によくあるのは皮膚病。耳、体の表面などマイナーな病気から放置しておくと手術に及ぶものまである。
耳が垂れている犬種は外耳炎
全ての犬種に言えることだが、よく犬が耳をかいている姿を見たことはないだろうか?
特に室内犬が増えた現代でより注意したい耳の病気NO.1とも言える外耳炎。
垂れ耳犬に注意な外耳炎
垂れ耳の犬種
- コッカー・スパニエル
- ダックスフンド
- ゴールデンレトリバー
- レトリバー
- イングリッシュ・セター
- アフガン・ハウンド
- シーズー
- チン
- ビーグル
- など
外耳道に毛が密に生えている犬種
- テリアプードルなど
外耳道の特徴
犬の外耳道が非常に独特な形をしており、鼓膜までの耳道が非常に細くなっている。
外耳道の真ん中で直角に曲がっており、通気性がとても悪いため、汚れや菌が繁殖しやすい。
特に、レトリーバー系やコッカースパニエル系などの耳が垂れている犬種に多く見られる。
ブルドッグやパグなどの湿気に弱い犬種、柴犬などの皮膚が弱い子、耳介周囲の毛が密に生えている子なども外耳炎になりやすい傾向にあるのだ。
外耳炎はどんな症状?
- 耳垢の量が増える
- 耳だれが出る
- 耳内から悪臭がする(いつもと違う匂い)
- 耳をかゆがる
- 耳を頻繁にかく
- 頭を頻繁に何度も振る
- 悪い方の耳を下にして、頭を傾げる
- 耳を触ると嫌がる・怒る など
治療法
炎症や耳垢がひどい場合は外耳道の洗浄、内服薬や外用薬(点耳薬)の使用が必要となることも。
薬を飲ませる事や、薬を耳に塗るのは難しい場合には、注射や長期で効く塗り薬などの他の治療法もある。
治療費
数千円~10,000円、手術になると200,000円程度
外耳炎になる前に
日ごろから耳掃除をしてあげること。
ノルバサンオチックなどの液体を注入して、耳をもみこんであげると、必然と耳が気持ち悪いので耳を振ってバタバタするので汚れが取れる。
苦手な犬も多いが、犬を仔犬から飼う際は、早いうちから訓練しておくと苦労がない。
特に将来大型犬になる犬は、大きくなればなるほどレスリング状態になってお互いに体力を使うからだ。
耳の掃除の注意点
耳を清潔に保つために耳掃除は必要だが、やり過ぎると逆に耳を傷つけてしまうこともあるので、適度に行うこと。
皮膚炎
次に注意したいのは皮膚炎。
よくある皮膚炎例
- 皮膚炎は皮膚のただれ
- ノミ・ダニのアレルギー
- 細菌・真菌性のもの
- ストレス
- 毛玉のひきつれ
- 過剰のシャンプー
- シャンプーが合わなかったために起こる皮膚炎
- 肉球をアルコール入りティッシュで拭いて荒れた など原因は様々
治療費
皮膚炎の程度にもよるが、軽くて塗り薬を処方されて数千円、
広範囲で状態が悪く通院、検査などを含めると数万円。処置の程度により数十万になるケースもある。
皮膚炎にならないように
日ごろからのスキンシップをしながら、体をよく触ってあげると発見しやすい。
下痢
犬を飼う時、つまり子犬のうちから飼い始める初心者が多い中で、一番注意したいのは下痢。
子犬のうちは、人間の赤ちゃん同様免疫がとても弱く繊細で、お腹を壊しやすい。
また子犬は環境の変化に弱く、新しい家族のところに来たばかりだと自分のママや兄弟と離れるため大きなストレスを感じたり、
ウイルスや寄生虫が原因で下痢を起こすことがよくあるからだ。
虫下し(駆虫剤)だけで解決できるなら、安心だが、先天性の病気だったり、検便やその他の原因を探るために治療が必要になると費用も大きくなる。
治療費
内服薬、検査代で数千円~、重度な病気の治療で数十万円
人間の薬を与えない
お腹が悪いから、正露丸を与えるという人がいるが安易に人間の薬を与えないこと。子犬の体は飼い主が思っている以上に繊細のため、
犬を熟知した獣医に診てもらうと安心であり、犬も病院慣れをしておくという意味でも大切なことに繋がる。
心疾患
チワワやマルチーズなどの小型犬で注意したいのは、特にシニア犬になると発生しやすい僧帽弁閉鎖不全症という病気。
加齢によって心臓内の弁が閉じにくくなり肺に負担がかかる病気で、心臓系は命にかかわるとても大事な器官。
手遅れになる前に様子がおかしいなと感じたら、獣医さんに診てもらうこと。
犬種による病気の注意点
レトリバーなどの大型犬
ゴールデンレトリバーなど、人気な犬でも将来的に足腰が弱りやすくなるため、脊椎系には注意すること。(大型犬一般)
肥満体形にならないように、運動、食事管理をして体重も適度な状態に保つと、足腰の負担も軽減しやすい。
呼吸器系の弱いパグ
よく飛行機に乗せられない犬としても有名なパグやシーズー。
呼吸器が特殊な形をしているため、呼吸器系の病気にかかりやすく、シーズーなどの短頭種は外鼻孔(鼻の穴)が狭いため、呼吸器の問題が起こりやすい。
椎間板ヘルニア
ホットドッグという愛称でも人気なミニチュア・ダックスフンド、コーギーは、他の犬より椎間板ヘルニアになりやすいため
階段の上り下りなど、足が短く胴が長い特徴から腰に負担がかかりやすい。
病気のサインを見逃さない
犬が元気に過ごせるように、日ごろからの予防はもちろんのこと自分の家族、子ども同様に日々の様子を観察することは大事なこと。
いつものように元気がないな?何かいつもと行動、態度が違うなど飼い主が異変に気付いてあげることで病気の早期発見に繋がるのだ。
病気の予防
病気を予防するためには、日ごろからの体調管理のための運動や食事、そして動物病院で予防注射(毎年、狂犬病予防注射と混合ワクチンを接種する)を打つことをすすめられているが、合わせて定期的に動物病院で健康診断を受けることもおすすめだ。
特に7歳以上のシニア犬は、最低でも半年または年1回は健康診断を受けるようにしたり、予防接種の際も事前のリスクなど担当獣医に相談すると安心だ。
病気のサイン
いつもと違うと感じたら。ちょっとした異変が、実は病気のサインであることもある
- いつもより元気がない
- 食欲がない
- 散歩に行きたがらない
- 体重が減ってきた
- 歩き方がおかしい
- 皮膚に湿疹やしこりがある(日ごろからのスキンシップが大事)
- 便や尿の色がおかしい
- 下痢をした
- 吐いた
- 咳をし始めた
犬を飼う前に知っておくこととして、起こりやすい病気についてご紹介したが、これらはあくまで一例に過ぎない。愛犬の特徴や日々の様子をさりげなく観察して、いつも家族みんなが元気で健康でいられるよう末永く見守ってあげよう。